真っ白なシーツは波を打つように皺を寄せて影を作っていた。
その上に何も纏わない白い体がうつ伏せに横たわる。
大きな瞳は僅かばかりの眠気を乗せて、窓の外、ちょうど伏せた視線の先の部屋をぼんやりと見詰めていた。
もうすでに入居者があるようで、開け放たれたカーテンは何も遮らずに部屋の中を見せる。
大学生くらいの男の子が一人、ソファに寝そべってテレビを見ている。
ソファのある位置は、引越す前は綱吉のベットが置いてあった場所。
絨毯を踏む微かな足音がベットに近付いて来て、やがて視界を遮るようにしてベットを軋ませた。
綱吉の体が微かに揺れる。
伸びてきた長い腕の指先は、つと背骨を辿って、柔らかな尻を辿る。
「・・・ここから、俺の部屋まる見えだったんだね。」
晒された背中に長い髪がくすぐるように落ちて来て、温かい唇が背中に押し付けられて
くすぐったくて綱吉は少し笑った。
釣られるようにして笑った形のよい唇が、ええ、と肯定の言葉を漏らす。
「君はカーテンも閉めずに過ごすから、誰かに見られてないか気が気ではありませんでした。」
温かな体温を残して離れた唇に、少しばかり寂しさを覚え
けれど長い指は白い背中に冷たく小さな塊を乗せていった。
背骨の窪みにひとつ、ふたつ、肺の上にひとつ、ふたつ、柔らかく乗せてはまた乗せていく。
綱吉は緩やかに瞬きをしてから、くすくす笑った。
「何してるの?」
「探し物をしています。」
「探し物?」
「そう。ずっと探しているのですが、未だに見付かりません。」
そっと首を起こして背中を見ようと体を捩ると、背中からするりするりと落ちたのは宝石だった。
色とりどりの宝石の名前は綱吉には分からなかったけれど
光を受けて輝けるようにカットされた宝石には、息を飲むものがある。
またそっと体を起こした綱吉の首に、ひんやりとして少し重みのあるネックレスが掛けられた。
柔らかなピンクゴールドに乗せて虹色に輝くのはダイヤモンドだと分かった。
花嫁が付けるような、歓びと耀きに満ちて白い肌を縁取る。
「わ、あ・・・きれい・・・新作?」
体を起こそうとした綱吉の背中を支える腕が伸びてきて、
シーツに散らばった宝石をまるで何の価値もないもののように無造作に端に寄せてから
壊れものを扱うようにそっとそっと綱吉をシーツの上に置く。
寄せられた宝石が鈍い音で絨毯の上に落ちる音を聞いて、綱吉は小さく苦笑した。
骸は気にもせずに、綱吉に微笑み掛ける。
「ええ。ですが、それも失敗作です。」
「え・・・!?こんなに綺麗なのに!?」
「綺麗ではありませんよ。市場に出回っているものもすべて失敗作です。」
「嘘!だって前の会社の人が恋人に贈るために雑誌まで買ってたのに、」
骸は瞼を落として緩く手を振ってから、言葉を奪うように綱吉の唇を塞いだ。
唇を柔らかく食むようにしてから長い睫毛を伏せて、額と額を合わせた。
「他の人間の話しをしないでください。」
「ん、ごめん・・・でもネックレスしてた子も、」
「駄目。」
短く言って唇に吸い付いて言葉を奪う。
まるで決まり事のように舌を伸ばし合って絡め合って、
骸は華奢な手首を緩く掴み、綱吉を柔らかくベットに押し付けて舌を吸った。
仄かに赤味を帯びた頬に頬擦りをして体を起こすと、
浅い呼吸をする綱吉の胸元に指を落とした。
肌を味わうように滑る指、白い腹の上を通る。
あられもない己の体を映す確かな熱を孕んだ宝石の瞳に、指先に、綱吉はとくりと胸を揺らす。
やがて柔らかく頬を滑った指は、胸に下がったネックレスを取って綱吉の頬に当てた。
「だってほら、君と並べると見劣りする。」
はっと頬を染めた綱吉に、骸は柔らかく目を細めて尚見詰めた。
「せめて君に見合うものをと思っているのですが、そんなものはこの世に存在しないのかもしれない。」
確信を持った声に綱吉は緩く首を振った。
「ううん。あるよ、」
そっと伸ばされた指は、骸の白い頬に添えられて愛おしく輪郭をなぞる。
骸はくす、と笑ってその指にキスをすると「ありませんよ。」と言い切って綱吉を抱き締めた。
抱き締めるその腕の強さに、世界が回る思いをした。
09.10.31
会社を辞めた綱吉が
*甲斐甲斐しく主婦業に勤しんでいる
*同意の上で監禁されている
*骸は綱吉を見せびらかしたいので、骸同伴の時のみ外出出来る軟禁状態
正直どれも萌えてしまって決められないので(ry)///
お好みでお召し上がりください(ry)
素敵萌えをくださった火月たんにぐりぐり押し付けますvvv
火月たんのみ宜しければお持ち帰りくださいvvv