燃える陽射しを惜しみなく浴びた滑らかな肌は、光りを弾くような淡い小麦の色をしていた。

その肌の上を、つう、と濡れた指が滑る。

「骸が焼けてるって、不思議な感じ。でも意外に、似合ってるね。」

陽射しの熱を孕んだままの肌に、よく冷えたジェルが馴染んでいく。
綱吉はまた冷たいジェルを掌に落として、骸の腕を包むように手を滑らせた。

「美形は何でも似合うので。」

「あー・・・まぁそうだね。」

呆れて、でも笑った綱吉も、同じように焼けていた。

すぐそこで波の音が繰り返し聞こえて、部屋のカーテンを揺らす風は潮の香りを乗せている。

不意に伸びてきた骸の腕が綱吉を引き寄せて、向かい合うように膝の上に乗せてしまう。
綱吉を見上げる骸は甘えるように綱吉の首筋に、何度もキスをした。

それに応えるように唇を合わせて、何度か舌を絡めてからそっと唇を離し、
綱吉はシーツの上に放られてしまったジェルのチューブを指先で引き寄せた。

掌にジェルを落としている隙に骸は綱吉を抱き締めてしまって、仕方がないので先に手が届く背中を撫でてジェルを伸ばす。

「お前は色が白いんだから、ちゃんとしないと痛くなるぞ?」

「スモーキンボムのように?」

「・・・主に顔と手だけがね。誰かさんがいつまで経っても突入の合図をしないから、あの炎天下に何時間も待機する羽目になって、スーツから出てた顔と手だけがこんがり焼けちゃったよね、誰かさんのせいで。」

「僕のせいだと言っているようですね。」

「言ってるよ。」

「あれは僕一人で十分だったので。」

「ほら、お前のせいだろ。」

「元はと言えば君が彼と組ませようとするからです。仕事の話は止めましょう。」

「お前が言い出したんだけど。」

骸は笑ってチューブを握る綱吉の手を上から包み込んで、柔らかく力を込める。

「ん、冷た、」

焼けた肢体に泡を含んだジェルが落ちて零れ、シーツを濡らした。

「次は君に塗ってあげます。」

骸の掌が晒された腿に滑る。
掌はそのまま尻をなぞってシャツを捲るように脇腹を滑る。

「・・・骸のがまだ終わってないんだけど、」

密やかに息を詰めた綱吉の唇に顔を寄せて、鼻先を擦り合わせる。

「それなら手っ取り早く、体を擦り合わせて広げたらいい。」

腿の上の零れたジェルを綱吉の胸に広げてから、体を強く合わせて滑らせる。
二人の胸の間でぷちとジェルの泡が弾けて、皮膚がぬると擦れ合った。

唇を合わせて舌を絡め、熱を孕む体に手を滑らせ合う。

シャツの釦をひとつ、ひとつと外していく長い指を追うようにそっと睫毛を持ち上げた綱吉は、
露わになった自身の脇腹に視線を落として、目を見張った。

「な・・・、これ、・・・、」

言葉を詰めてただただ茫然とする綱吉に、骸はああ、と笑った。

「テープを貼ると、本当にそこは焼けないものですね。」

綱吉の肩からするりとシャツを落として、鏡に映った焼けた背中にも、骸は満足そうに笑い鏡を指差した。
綱吉は条件反射のようにばっと後ろを振り返り、鏡に映った自分の背中に薄く口を開きまた茫然とした。

「君が僕を放って眠りこけていた間に、少し悪戯させて頂きました。」

「悪戯って、お前・・・人前で服脱げなくなったんだけど・・・」

諦めたように骸の肩に額を付けて溜息を落とした綱吉を、押し倒して顔を寄せる。

「おや?脱ぐ予定でも?」

目は笑っていない。綱吉はほとんど自暴自棄に応えた。

「ないよ。ないけどさ・・・これ、」

「自分の物には名前を書かなくてはいけませんからね。」

一転して上機嫌に笑う骸に、呆れも通り越して笑ってしまう。


骸がテープを貼った部分だけ、艶やかに焼けた小麦の色の肌に白く浮かぶ。


脇腹と背中の二か所、白い文字で「骸」。

夏の間はもう、消えないだろう。


2010.07.20
夏休みむくつなv
プライベートビーチでいちゃいちゃしてたらいいと思いますv
海の中でとか。あえて何を、とは言いませんけれどもv
不憫なごっくんに激しい萌を感じる私。ごめんねごっくん・・・!!そんなあなたが好き!!