マフィンの中のチョコチップは、指先でじわりと溶けるほどふんだんに散りばめられていた。


指先に掌に、更には手首にまで流れていったチョコレートを舌先で拭って、骸は小さく笑った。


「これではチョコレートの中にマフィンが入っているようですね。」

「お前、チョコ好きだからいいじゃん、」

「嫌だとは、一言も言ってませんよ。」


白い皿の上に山のように乗せられたマフィンを指先で千切って
剥き出された綱吉の白い腹の上に乗せると、チョコがじゅわと溶けた。


骸は舌先でくすぐるように綱吉の腹を舐めマフィンを口に咥えると、
笑いながら綱吉の口元に運んだ。


綱吉も笑いながらそれを口で受け取り、キスをすると舌で潰し合い飲み込んだ。


日の光を反射する白いシーツの上に惜し気もなく裸体を晒して
素肌を包み込むように滑る手にチョコレートが溶けていく。

綱吉ははぁ、と熱のある息を吐いた。


緩く丸まった綱吉の体の上を、骸の大きな手が滑っていく。


愛おしむようにゆっくり、それこそ細胞のひとつひとつまで愛撫するように触れらる。


作り過ぎたマフィンはぜんぶ食べると言ってくれた。
でも一人じゃ大変だから一緒に食べてと言われた。


始めは普通に食べていただけなのに、指先で溶けたチョコを舐め合ううちに、
唇で溶けたチョコを吸い合ううちに、気付けば綱吉は裸にされてベットに転がされていた。


「口直しにシャンパンをどうぞ。」

骸が口移しでシャンパンを飲ませてくれて、
弾くような刺激で綱吉の唇の端から溢れて零れた。

言って綱吉はベットサイドのマフィンをひとつ取って齧った。
骸はその手を掴んでシーツに押し付けると舌で口の中を舐め回して唇を離した。


綱吉の手からシーツの上にぽとりとマフィンが落ちる。


綱吉の舌先が唇を追うように伸ばされて、
同じように伸ばされた骸の舌先と絡み合って舌先だけのキスをする。

「・・・このシーツ、もう駄目だな。」

骸はくすくす笑う綱吉の口元を、カカオとアルコールに塗れたシーツで拭いた。

「それならもっと汚しましょう。」

目を瞬かせた綱吉はくすくす笑ってから、骸の首に腕を回した。

「どうやって、汚すの?」

挑発的ですね、と骸は笑って、足の指先までチョコに濡れた綱吉の足を取ると、
己の足の間に導いた。

服の上からでも分かるくらいきつく勃ち上がっていて、
綱吉は思わず熱の籠った息を吐いた。

「君も、」

耳元に口を寄せて囁いて、さっきからもうずっと勃ち上がっていた綱吉のそれを掌で包む。

「ずっと我慢してたくせに。」

吐息のような甘い声に綱吉はくすぐったそうに身を捩って、骸の体に足を摺り寄せた。

ゆっくりと上下を始めた掌に、綱吉の背が緩やかに反らされていく。


「君のとチョコレートが混ざったら、さぞかし甘い味がするのでしょうね。」


馬鹿、と短く咎められた声も濡れた吐息に埋まってキスで消えた。




2010.02.14
これ以上書くと大変なことになると思うので自重しました^^
昼間っからこんなことをしてしまう骸と綱吉も大好きですv
チョコバナナとか思ってすみません。いえ、何でもありません。
ハッピーバレンタインv